を散策してきました!
2026年10月上旬、福岡県太宰府市にある元号「令和」ゆかりの地を訪れました。
観世音寺・戒壇院・大宰府政庁跡・坂本八幡宮を巡ってきました。
実際に訪れて感じたこと、これから行く方の参考になりそうなポイントをまとめています。
写真の解説
写真は、10月に撮影しました。
写真は、坂本八幡宮の境内にある「令和」の石碑です。
2019年(令和元年)に建立されたもので、「令和」の文字と、元号の由来となった『万葉集』の序文が刻まれています。
※本ページは、プロモーションが含まれています。
元号「令和」ゆかりの地 について
福岡県太宰府市には、古代九州の政治や文化の中心地として栄えた歴史を今に伝える寺院や史跡が数多く残されています。
その中でも、大宰府政庁跡や坂本八幡宮の周辺は、元号「令和」の由来となった「梅花の宴」にゆかりのある場所として知られています。
今回は、観世音寺(かんぜおんじ)、戒壇院(かいだんいん)、大宰府政庁跡(だざいふせいちょうあと)、坂本八幡宮(さかもとはちまんぐう)の4か所を訪れました。
それぞれの歴史や見どころを紹介します。
※「大宰府」は古代の役所や歴史上の地名を指す表記で、現在の市名や神社名には「太宰府」が使われています。
観世音寺|歴史ある静かな寺院
観世音寺(かんぜおんじ)は、太宰府市にある歴史ある寺院です。
7世紀後半、天智天皇(てんじてんのう)が母・斉明天皇(さいめいてんのう)の冥福を祈るために建立を発願したと伝えられています。
完成までに約80年を要し、746年(天平18年)に完成供養が行われました。
かつては九州を代表する大寺院として栄え、講堂(写真)・金堂・五重塔などが建ち並び、最盛期には49もの子院があったとされています。
現在も境内には江戸時代に再建された建物や、かつての大寺院の規模を伝える遺構が残っています。

戒壇院|観世音寺に隣接する古刹
戒壇院(かいだんいん)は、観世音寺に隣接する歴史ある寺院です。
761年(天平宝字5年)、観世音寺の境内に設けられ、奈良の東大寺、栃木県の下野薬師寺(しもつけやくしじ)とともに、「天下三戒壇(てんかさんかいだん)」の一つに数えられました。
「戒壇」とは、僧侶になるために必要な戒律を正式に授ける場所のことです。戒壇院は「西戒壇」とも呼ばれ、九州の僧侶たちにとって重要な場所でした。
1703年(元禄16年)に観世音寺から独立し、現在は臨済宗妙心寺派(りんざいしゅうみょうしんじは)の禅寺となっています。

大宰府政庁跡|かつての政治の中心地
大宰府政庁跡(だざいふせいちょうあと)は、古代の九州を統括していた役所「大宰府」の跡地です。
大宰府は、7世紀後半から12世紀前半にかけて、九州の行政や外交、防衛などの重要な役割を担っていました。
当時の大宰府は「遠の朝廷(とおのみかど)」とも呼ばれ、都から離れた九州の政治・外交の中心地として栄えました。
政庁には正殿(せいでん)や東西の脇殿(わきでん)、南門などが建ち並び、重要な儀式や政務が行われていました。
建物は長い歴史の中で建て替えられましたが、現在は建物の礎石(そせき)などが残り、広々とした史跡公園として整備されています。
また、奈良時代には歌人としても知られる大伴旅人(おおとものたびと)が大宰帥(だざいのそち)として赴任し、この地で豊かな万葉文化が花開きました。
元号「令和」の由来となった「梅花の宴(ばいかのえん)」は、大伴旅人の邸宅で開かれました。邸宅の場所は特定されていませんが、この政庁跡の周辺にあったと考えられています。

◎ 大宰府政庁跡に立つ3基の石碑
大宰府政庁跡の正殿跡には、3基の石碑が並んでいます。
これらは、かつて九州の政治の中心地として栄えた大宰府の歴史を後世に伝え、史跡を守るために建立されたものです。
向かって左から、
- 太宰府址碑(だざいふあとひ):1880年(明治13年)
- 都督府古趾碑(ととくふこしひ):1871年(明治4年)
- 太宰府碑(だざいふひ):1914年(大正3年)
当時の人々が、この歴史ある場所を大切に守ろうとしていたことが伝わってきます。

坂本八幡宮|令和ゆかりの場所
坂本八幡宮は、大宰府政庁跡の北西に位置する神社で、応神天皇(おうじんてんのう)を祀っています。
古くから坂本地区の土地の守り神である産土神(うぶすながみ)として、地域の人々に親しまれてきました。
創建された年代は明らかではありませんが、戦国時代(16世紀ごろ)に勧請(かんじょう)されたと伝えられています。
この神社の周辺は、奈良時代に大宰帥を務めた大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅があった候補地の一つとされています。
730年(天平2年)1月13日(旧暦)、大伴旅人(おおとものたびと)は自らの邸宅に役人や歌人たちを招き、梅の花を題材に歌を詠む「梅花の宴(ばいかのえん)」を開きました。
この宴で詠まれた32首の歌は『万葉集』に収められ、その序文には、次のような一節があります。
「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」
(しょしゅんのれいげつにして、きよく かぜやわらぎ)
これは「初春のよい月で、空気は清らかに、風は穏やかに吹いている」という意味で、この一節から元号「令和」の二文字が選ばれました。
こうした歴史的な背景から、坂本八幡宮は「令和ゆかりの地」として広く知られるようになりました。

令和ゆかりの地を巡った感想
太宰府天満宮を参拝した後、観世音寺、戒壇院、大宰府政庁跡、坂本八幡宮の4か所を巡りました。
太宰府天満宮の見どころや参拝の様子については、こちらの記事で紹介しています。
→ 太宰府天満宮の記事はこちら
いずれも徒歩で巡ることができる距離にありますが、太宰府天満宮から観世音寺までは徒歩で30分ほどかかります。
太宰府駅からバスを利用することもでき、駐車場もあります。
最初に訪れた観世音寺は、観光客が数人いる程度で、静かで落ち着いた雰囲気でした。江戸時代に再建された建物からは、長い歴史を感じることができます。
すぐ隣には戒壇院があり、こちらは立派な佇まいが印象的でした。
続いて訪れた大宰府政庁跡は、広々とした敷地が広がり、親子がボール遊びを楽しむ姿も見られました。
現在は建物こそ残っていませんが、かつて九州の政治の中心地として栄えた場所の広さを実感することができました。
そして最後は、元号「令和」ゆかりの坂本八幡宮へ。
こじんまりとした静かな神社で、この日はほかに参拝者の姿もなく、ゆっくりと境内を見て回ることができました。
訪れた日は社務所が閉まっており、御朱印は申込書で郵送対応となっていました。
『万葉集』に記された梅花の宴が、約1300年前にこの太宰府で開かれたことを思うと、遠い昔の歴史が少し身近に感じられます。
太宰府天満宮の賑やかな参道とはまた違い、静かな環境の中で歴史に触れられる散策コースでした。
4か所を巡るだけなら、移動も含めて2時間程度がひとつの目安です。
歴史に興味のある方は、ぜひ少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
心地よい旅のポイント
※ 情報は変わる可能性もあるため、各公式HPにてご確認ください。
◎ 観世音寺 のポイント
- 講堂(こうどう):1688年(元禄元年)に再建。僧侶が講義や法会を行う場所で、福岡県指定有形文化財。
- 金堂(こんどう):江戸時代に再建された建物で、福岡県指定有形文化財。
- 宝蔵(ほうぞう):平安時代から鎌倉時代にかけて造られた16体の仏像(国の重要文化財)などを収蔵・展示。高さ約5メートルの仏像も見どころ。
- 南門跡・塔跡・僧房跡:礎石などから、かつての壮大な寺院の姿を想像できます。
- 国宝の梵鐘(ぼんしょう):7世紀に造られた日本最古級の梵鐘。京都・妙心寺の鐘と兄弟鐘と考えられています。
◎ 戒壇院 のポイント
- 本堂:17世紀に再建された歴史ある建物で、福岡県指定有形文化財。
- 木造盧舎那仏坐像(もくぞうるしゃなぶつざぞう):平安時代に造られた本尊で、国の重要文化財に指定されています。
- 天下三戒壇の歴史:奈良時代に正式な僧侶となるための重要な儀式が行われた場所です。
- 菩提樹(ぼだいじゅ):鑑真和上(がんじんわじょう)が伝えたとされる菩提樹があり、初夏には花を楽しめます。
- 本堂内部の拝観:事前予約が必要です。
◎ 大宰府政庁跡 のポイント
- 正殿跡と礎石:かつて政庁の中心となる建物が建っていた場所。現在も礎石が残り、当時の建物の規模や配置を想像できます。
- 大宰府展示館:1980年(昭和55年)に開館。発掘調査で見つかった遺構の一部や出土品などを展示し、大宰府の歴史を紹介しています。
- 万葉歌碑(まんようかひ):政庁跡の周辺には『万葉集』に収められた歌の歌碑が点在し、古代の文学や文化に触れることができます。
- 四王寺山(しおうじやま)を望む風景:広々とした史跡と背後に広がる山々の景色が美しく、歴史散策だけでなく、のんびりと歩くのにもおすすめです。
◎ 坂本八幡宮 のポイント
- 令和の石碑:2019年(令和元年)に境内に建立された石碑。「令和」の文字と『万葉集』の序文が刻まれています。
- 大伴旅人の邸宅跡の候補地:梅花の宴が開かれた場所の候補地の一つですが、正確な位置は確定していません。
- 大宰府政庁跡からの散策:政庁跡から徒歩で立ち寄れる距離にあり、あわせて巡るのにおすすめです。
まとめ
今回は、福岡県太宰府市にある観世音寺、戒壇院、大宰府政庁跡、坂本八幡宮をご紹介しました。
太宰府には、太宰府天満宮だけでなく、古代の政治や仏教文化、そして『万葉集』の世界に触れられる場所が数多くあります。
元号「令和」の由来を知ってから訪れると、何気ない風景にも歴史の深さを感じられるかもしれません。
太宰府を訪れる際には、ぜひ少し足を延ばして、歴史散策を楽しんでみてください。
Have a nice trip! 良い旅を!!

